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表面処理技術講座

掲載日:2010年02月05日

第432回 鉄電鋳浴-2

(2)ホウフッ化第一鉄浴

 ホウフッ化第一鉄浴は、塩化第一鉄を主成分としたもの(A)と、ホウフッ化第一鉄を主成分としたもの(B)があり、それぞれ優れた特徴をもっています。

 この浴は、機械部品等の電鋳、主として寸法精度不足の補修等に使われます。軸受け部分や内燃機関のシリンダーの内壁のように磨耗しやすいところを補修する場合には、添加剤により硬くも軟らかくもすることができます。その上、ホウフッ化鉄浴は、密着力が他の鉄浴と較べて優れ、電着した鉄が脆いときには、熱処理を行ってそれ程硬度を低下させずに柔軟性を改善することができます。

 ホウ素、フッ素イオンの重要な働きは、第二鉄化合物の生成を防止することです。ホウフッ化イオンが10g/L以下になると電着が粗雑になり、第二鉄化合物が沈殿をはじめる傾向があり、陽極電流効率も低下します。しかし100g/L以上では逆に陽極の溶解が多きすぎ、浴の組成が変化するようになります。  塩化物は、浴の導電率を改善し、均一電着性を増し、樹脂状や粒状析出の発生を減少し、強靭で延性のある電着が得られます。もし、塩化物が浴に存在しないと電着は粗雑になり、脆くなります。

 塩化第一鉄を主成分とするホウフッ化浴の浴組成(A)とホウフッ化第一鉄を主成分とするホウフッ化浴の浴組成(B)および作業条件を示します。

 (A)浴(B)浴
ホウフッ化第一鉄60g/L225~300g/L
塩化第一鉄250g/L15g/L
硼酸15g/L15g/L
界面活性剤15g/L15g/L
pH3.43.4
浴温60℃60℃
電流密度5A/dm210A/dm2

 界面活性剤は、ピットやピンホール防止のために添加しますが、ラウリル硫酸ナトリウムが効果があります。電解液は導電率が優れており、温度が高くなると最大電流密度を上げることができます。またpHは作業中徐々に高くなりますが、高くなりすぎると電着の色が暗灰色となり、脆くなります。陽極の溶解も悪くなります。

 通常、浴の管理は、pHを測定し、比色法により塩化物の量と鉄の金属量を分析するだけで十分です。

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