エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2001年11月13日

カテゴリ : 直動部品

第41回 しゅう動案内の解説−その7:リニアモーションガイドの潤滑法と特殊仕様

 リニアモーションガイドはベアリングがリニアモーションブロック内部に格納されているため、異物の侵入防止に優れており、潤滑特性の異なるグリス選定により特殊環境(クリーンルーム、耐食防錆、高温、真空など)での使用に適しています。

(1)防塵対策

 リニアモーションブロック内部に異物が侵入しないように、エンドシールやサイドシールが装着されます。特に異物が多い環境では、二重のエンドシール構造を採用します。さらに厳しい性能の要求には、高防塵シールやレールカバー用ジャバラを採用します。

(2)潤滑剤の供給法

潤滑剤の供給法特徴使用法
グリース潤滑剤供給法1.安価
2.簡便
グリースガンで給油口から注入し、慣らし運動後にはみ出したグリスを拭き取る。給油インターバルは1年を目安に、半年毎に汚れ点検。
油潤滑剤供給法1.高精度
2.メンテナンスフリー
潤滑油を噴霧状にしてエアー圧で供給。油噴霧ユニットとエアーフィルタユニットで構成。
オイルレスベアリング
(構造)
1.メンテナンスフリー
2.安価
3.間歇運動に適す
多孔性材料に油性潤滑剤を含侵させたエンドシールを採用。リニアモーションブロックの移動による熱膨張と毛細管作用により適度な油が多孔体から誘出される。

(3)特殊環境対応用リニアモーションガイド

(1)水周り・薬液周りでの使用

 洗浄装置など錆びやすい環境での使用には、防食効果が高いマルテンサイト系ステンレス鋼を使用したものを選定。さらに、半導体プロセス用装置の搬送機器用などには防食対応のための表面処理(メッキ)されたものを選定します。

(2)クリーンルームでの使用

 これまでは真空用フッ素系グリスが多用されていましたが、潤滑性・防錆特性が不十分で長時間の使用後にグリスが変質し汚染源となる、などのトラブルがありました。低発塵性グリスや金属元素を含まないグリスなどが開発されています。
 また、ベアリング磨耗による金属粉の発塵を抑制するためにボールリテーナを採用したもの、レール・ベアリング材料をステンレス材とし黒クロムメッキ処理を施したものなどがあります。

(3)高温環境での使用

 標準的なリニアモーションガイドは、合成樹脂やゴムが使用されているため、高温側の使用限界温度は80〜90℃です。この部品を耐熱ゴムや金属製部品とし、高温用グリスを併用して対応します。

(4)真空環境での使用

 エンドシールなどのプラスチック部品をステンレス製に換えて真空環境での放出ガスを抑制し、蒸気圧の低いフッ素系グリスを採用して油分の飛散を防止して対処。

 次回は、リニアモーションガイドの寿命と定格荷重を解説します。

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