エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2002年07月30日

カテゴリ : 設計のヒント

第76回 搬送のLCA−重力利用の搬送−1

 重力利用の搬送法は、駆動用装置が不要のため安価にできます。その搬送法の原理と特徴をまとめました。

図

【表1】重力利用の搬送法(シュート式)の特徴

搬送治具の構造部品供給の信頼性搬送ワークの制約
構造が単純で設計容易
距離や落差で位置だしや速度制御を行う
たまにトラブルあり
オリエンテーション:形状依存性大
サイズ:大物ワークや複雑形状のワークは不向き

(1)解説

(1)落下方式

 部品収納マガジンから部品を搬送(移載)するワークホルダーまでの距離(L)と通過する時間(t)は次式で算出できます(【図1】a】参照)。

  t=√2L/g
   g:重力加速度(mm/s2

図1a

 落下途中に搬送ワークの形状や重心位置の特徴を利用して、オリエンテーション(ワークの向き)を一定にする工夫が可能です。

(2)滑り方式

 搬送速度は滑って搬送させるシュートの角度(θ)と摩擦係数(μ)の2つの設計パラメーターで制御できます(【図1】b参照)。

図1b

 摩擦係数(μ)は、搬送ワークの滑り面の接触面積である程度可変できるので、シュート滑り面にパンチングプレートなどを利用して、滑り速度を制御できます。滑り搬送時間 t は次式で算出できます。

  t=√{2L/g(sinθ—μcosθ)}
   L:滑りシュートの直線部長さ(mm)
   g:重力加速度(mm/s2
   θ:傾斜角
   μ:摩擦係数
    (軟鋼:0.40、鋳鉄:0.20、アルミニウム:0.36

 滑り方式は、振動式パーツフィーダーなどを用いることで、複雑な形状のワークでも整列した状態で移載が可能です。ここでは、簡易治具レベルの解説として、例えば1個流し生産ラインにおける補助的な治具などが対象です。

 次回は、重力加速度:gを等速搬送エネルギーとして積極的に利用したLCAの例を紹介します。

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