エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2002年12月03日

カテゴリ : 設計のヒント

第92回 からくり治具の素:倍力構造−1

 小さな力で大きな力の作用が得られる機構を倍力機構と呼びます。この倍力機構を構成する機械要素には、リンク、てこ、ねじ、くさび、ギヤ、滑車などがあります。ロボットコンテスト(通称:ロボコン)の軽量アームには、単純な機構で倍力効果が得られるリンク機構が良く用いられています。
 また、重量物を持ち上げるのにてこを使用するのも倍力機構の応用例です。この場合は、重量物を小さな力で持ち上げることができますが、重量物の移動距離に較べて長い距離を持ち上げなければならなくなります。
 このように、倍力機構を用いても仕事量(物体を移動させる力と移動させた距離の積)は変わりません。第92回では、リンク機構を応用した倍力機構を紹介します。

 4節回転連鎖のリンク機構(【図1】-a))で、節Aでの力のベクトルを考えてみます。
 【図1】-b)は、倍力作用の効果が大きく得られるリンク機構の配置図です。
 【図1】-c)は、倍力作用の効果がわずかなリンク機構の配置図です。
 両者を『節A』での力のベクトル成分の比較で解説します。

図1

 【図1】-b)では、『クランクOA』と『リンクAB』との成す角度が180度に近くほぼ直線状で、『リンクAB』と『てこBC』が直角に近い状態にあります。この場合、『原動節OA』に『トルクT』が働き、『節A』の接線方向に力F0が働く場合、『節A』でのベクトル成分から、『節A』上で『リンクAB』にかかる力F1は、接線力F'0の2.7倍に倍力される事となります。

 【図1】-c)では、『節A』上で『リンクAB』にかかる力F'1は、接線力F'0の1.1倍にしかなっていません。

 このように、【図1】-b)の位置関係でリンク機構を利用することで倍力機構が構成できます。なお、リンク機構を倍力機構に応用する場合は、全ての回転連結部(ペア)とリンクの強度設計を強くしなければなりません。

 次回は、クランク機構を用いた倍力機構の応用例を解説します。

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