エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2003年05月27日

カテゴリ : 駆動機構設計

第114回 動きを持つ構造設計−9:直進運動の運動制御

 ボールねじと電動モータからなる直進運動機構の運動制御(作動特性と速度特性)の概要を解説します。カムやクランク機構を用いた直進運動機構に較べて、ボールねじと電動モータからなる直進運動機構は制御性に優れているため、高速化と位置決め精度の相反する性能を得ることが出来ます。

(1)作動特性

 直進運動の作動は、両端部での停止と、その中間の任意の位置での停止で全てが表現できます。

(a)両端停止

 一般的にはセンサーを両端停止位置に設置して駆動位置を規制する(オーバーランの防止)。なお、エアーシリンダなどの空圧機器には構造そのものに両端停止限界がある。

(b)中間停止

 中間停止では、多くの場合停止位置の精度が要求される。これは、駆動部の構造、直進駆動系全体の剛性、駆動制御方式に関係してきます。
 ±0.01mm程度の要求精度の場合、ボールねじとサーボモータ+位置検出器の構成で加・減速制御の適正条件とバックラッシュ抑制制御方式の採用で対応が可能です。

(2)速度特性(【図1】参照)

図1

 移動時間を短くして、かつ停止時の高い位置決め精度を得るには、駆動体からの慣性力(慣性トルク)による変形荷重を小さくさせる必要があります。そのためには、加速度(α)を小さくする必要があります。しかし、単純に加速度(α)を小さくすると立ち上がり・立ち下り時間が長くなります。
 この対策として、稼動直後と停止直前の加速度はゼロに近くなるように小さくし、その間の加速度は非常に大きくするなどの多段変速制御方式を採用します。

(a)多段変速制御方式

 中間停止位置精度を上げる停止制御方式の一つ。停止位置の前段階で速度を段階的に変化させることで停止時の慣性力を低減させる。速度の段階的切り替えは、あらかじめ高速・中速・低速と数段の速度設定をプログラミング化したり、モータ極数の切り替え制御などで行う。

(b)加減速制御方式

 稼動直後と停止直前の加速度はゼロに近くなるように小さくし、その間の加速度は非常に大きくするなどの多段変速制御方式

 次回は、各種の小型モータの特徴について解説します。

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