エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2004年02月10日

カテゴリ : ローコストオートメーションと材料

第148回 LCAを支える機素材料の基本−3:法隆寺の構造材料;鉄(和釘用材料)

 引き続きコーヒーブレイクです。鉄は木材に較べて格段に強い材料として、現代では最も多用される構造材料です。しかし、木造建築しかなかった時代では、鉄が錆びる欠点を持つため木材の寿命を短くするとして、法隆寺などの古代建造物では多く使用されていません。それでも、和釘(ワクギ)として木材結合に採用されており、これも約1300年の間、その機能が維持されてきています。ここでは、古代建造物に使用されている鉄材料の話を紹介します。

 現代の洋釘は25年程度しかもちません(錆が釘の内部まで伸展するため強度が極度に低下する)が、法隆寺に使用されている和釘(【写真1】)は、1300年経っても表面にしか錆が発生せず、したがって、表面層以外では鉄の強度が劣化していないため、1300年後の今日でも機能しています。

写真1

 1300年間、釘の機能を維持している理由は、次の2つと言われています。

1. 純度の高い鉄材料
2. 鍛造法でバウムクーヘン状の多層構造を形成

 これは日本刀の特徴と似ています。日本刀の製法は、映画「ラストサムライ」に挿入されていましたが、赤熱した鋼(刃物に使われる鉄)を叩いて伸ばし、その伸ばした鋼を折り返し、これを何回も繰り返して、鋼を多層構造にします。この多層構造が、非常に硬いが折れにくく(したがって良く切れる)、錆びにくい日本刀の特徴を造りだします。
 法隆寺の和釘も日本刀と同じ方法で造られているため、錆びにくい特徴を持っています。鍛造法で造られた和釘内部の多層構造のために、内部への錆の侵食速度が非常に遅くなり、したがって、1300年経っても釘の機能を維持できています。(参考:西岡常一著、木に学べ;小学館より)

 次回は、軽量化の設計変更時に多発するトラブルを例に、材料特性と事故の関係を紹介します。

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る