エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2004年06月04日

カテゴリ : ローコストオートメーションと材料

第163回 LCAを支える機素材料の基本−18:浸炭焼入れ

 浸炭焼入れと類似の表面処理機能が得られる代表的な表面処理法について解説します。

(1)浸炭焼入れ法

駆動力を伝達する機素(カム、ギア、その他)には耐摩耗性と耐疲労性が必要です。そのため、表面の硬度と内部の靭性の相反する特性が必要です。浸炭焼入れは低炭素鋼の内部の靭性を維持したまま表面を硬化させる処理法です。
低炭素鋼(C<0.3%)を炭素雰囲気の高温炉で熱処理(浸炭温度:900〜930℃)することで表面のみを高炭素鋼化させ、その後に焼入れ処理を行います。
表面硬度はビッカース硬さ750以下。浸炭硬化深さは、浸炭処理による残留応力(圧縮)と表面の引張り応力をバランスさせるように選択するのが、しゅう動面の耐久性能向上には重要です。
合金鋼に浸炭処理を行うと、靭性の向上と表面硬化の両者が向上できます。はだ焼鋼:SNC、SNCM、SCr、などがJISで規定されています。
浸炭処理の方法は3種類(固体浸炭、液体浸炭、ガス浸炭)あります。品質の安定性ではガス浸炭法が優れています。

(2)浸炭焼入れと類似の特性が得られる表面処理法

 表面硬化と内部靭性の相反する特性を得るには、上記の [1] 浸炭焼入れ以外に、[2] 窒化処理、[3] 硬質メッキ処理、[4] 硬質薄膜処理(化学蒸着法:CVD法、物理蒸着法:PVD法)が有ります。

窒化処理鋼の表面に硬い窒化物を形成させて表面硬化させるもの。Hv:〜1300と非常に硬い表面となるが脆い。軸受けスピンドルなどに採用。
硬質メッキ処理無電解Ni-Pメッキ(Hv:〜500)、カニゼンメッキ(Hv:〜1000)など
CVD法/PVD法TiC薄膜(Hv:3000〜4000)、TiN薄膜(Hv:2000〜3000)などが工具被膜として採用

CVD法:化学蒸着法、PVD法:物理蒸着法

 次回は、アルミ材の材料特性と採用の注意点などについて解説します。

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