エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2005年01月28日

カテゴリ : 直動部品

第194回 リニアモータに挑戦−2:回転モータとリニアモータの比較

 回転モータとリニアモータの違いで、「リニアモータは犬のように従順だ」と表現された大先生がいます。

■「リニアモータは犬」の喩えについて
回転モータは許容電流を流すと、性能限界まで回転数を上げて回り続け故障に到るガンバリモノ。
リニアモータは許容電流を流しても、搭載荷重と加速度の限界性能の範囲で運動をし続ける。この「いい加減さ」が非常にいとおしく犬(?)の喩えとなりました。この「いい加減さ」は非接触で推力を伝える方式によります。

回転型モータとリニアモータ(ここではシャフトモータ)を用いた直動機構の違い

回転型モータを用いた直動機構は、モータの回転運動をボールねじに伝え、ボールねじの回転運動をボールねじナット内部のベアリングを介して直進運動に置き換えるもの。(【図1】参照)
リニアモータ型は、ボールねじを介さずに、リニアモータの電磁力をダイレクトに推力に変換する方式。(【図2】参照)
回転型モータを用いた直動機構も、リニアモータ(シャフトモータを含む)を用いた直動機構も、直動案内(例えば、スライドガイドなど)は必要。
したがって、回転型モータとリニアモータ(ここではシャフトモータ)を用いた直動機構の主な違いは、ボールねじの様な機構部品を介して推力を伝えるかどうか。外観的には駆動端にモータが有りません。1軸駆動機構の写真で比較してください。(【写真1】、【写真2】参照)

写真1、写真2

図1

図1

回転型モータ直動機構とシャフトモータ直動機構の違い
回転型モータの
直動機構の特徴
ボールねじで
回転を直進に
運動変換
■長所
1. 機械的接触状態が外乱(微振動など)に対して高い安定性を生む(【図1】参照)
2. 熱源(モータ)が遠くにあるので熱変形の影響が小さい
■短所
3. 機械的接触状態は弾性変形を持つ為、精密位置決め時に誤差を生む(ロストモーション、応答性が遅れる)(【図1】参照)
4. 長ストローク移動ではボールねじがたわむ為、高速運転には不向き。
シャフトモータの
直動機構の特徴
電磁力を
直接直進力に
利用
■長所
1. 推力を非接触状態で直進方向に生じさせるため、精度誤差因子が少ない(高精度、高速応答性)(【図2】参照)
2. ボールねじリードとモータ回転数の制限を受けないため高速性能に優れる
■短所
3. 可動体は非接触状態で推力を受ける状態にあるため、外部振動などの外力の影響を受けやすい(不安定に成りやすい)(【図2】参照)
4. 熱源(コイル部)と可動部が近いため熱変位の影響が大きい

 上表の長所と短所はお互いに関連しています。特徴を適切に理解して、採用時の選択をすることが肝心です。

 次回から、シャフトモータのLCA応用について解説します。

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る