エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2005年10月07日

カテゴリ : 自動化要素技術

第227回 ばねの設計−6:ばねの固有振動特性

 ばね定数( k )の、ばねに質量( M )のブロックを載せた状態での、ばねの振動特性について解説します。

【図1】のモデルで任意の位置に押し付けていたブロックの保持を開放すると、ブロックはばねのエネルギ蓄積特性により上下方向に振動を続けます。

図1

このときの振動数は次の式で算出される固有振動数( f0 )で振動します。

式

固有振動数とは、対象のばねが持つ固有の振動特性を示すもので、一定時間内に振動を何回繰返すかの特性をしめすもの。

この固有振動数は載せられる(または、ぶら下げられる)質量の大きさ( M )とばね定数( k )のみで決まる値です。したがって、ばねを強く伸ばした状態から放しても、弱い状態から放しても、ばねの固有振動数は変わりません。

質量の大きさによる影響( A )と、ばね定数の大きさによる影響( B )、さらに振動数の大きさによる影響( C )を事例で解説します(【図2】)。

図2

このばねの固有振動数を、有効な特徴として利用する事例を紹介します。

■ばねの固有振動数を有効に利用する事例
図

【例】ダンパと一緒につかって装置からの衝撃を吸収する。

図

【例】わずかの振動もきらう半導体設備(精密位置決め機器など)では、周辺から伝わる振動周波数に応じて、防振ゴム、コイルばね、空気ばねを使い分けて除振対策を打ちます。

●注記
防振とは・・振動を生じる機器を防振材で支えて、この機器から周囲への振動伝播を防ぐこと
除振とは・・振動の影響を避けたい機器に対し、外部からの振動伝播を防ぐこと

ばねが持つ固有振動数( f0 )と機械全体(これをバネ系と考えて)の固有振動数( f )とが一致しないようにばねを選定すること、または、機械全体の固有振動数をずらす設計を行う必要があります。

ばねが持つ固有振動数( f0 )と機械全体の固有振動数( f )が一致すると、共振状態を生じ、機械の振動の増大が最大になり、びびりや破壊に繋がるなどの事故の要因となります。

 次回は、コイルばねが衝撃を受けたときに生じるサージング現象について解説します。

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