エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2006年06月09日

カテゴリ : 自動化要素技術

第260回 ねじ−6:鋼製ボルト/ナットの強度区分

 ISOねじには機械的性質の規定として強度区分があります。ここでは鋼製ボルトと鋼製ナットを例に、強度区分について解説します。ミスミFAカタログ '06年版のP879には、六角穴付ボルトCBの強度区分として12.9(M 3〜M 20)と、10.9(M 24)が記述されています。

(1)鋼製ボルトの機械的性質

(1)鋼製ボルトの機械的性質

 ISO並びにJISでは、ボルトの機械的性質を強度区分の数値で表現します。【表1】はISO 898-1:1998の一部です。

【表1】鋼製ボルトの機械的性質(ISO898-1:1998より抜粋)
機械的性質強度区分試験方法及び条件**
6.88.8*10.912.9
最小引張強さ R m,min N/mm260080010401200A:ISO6892(引張試験)
B:ボルトの引張試験
硬さ HVmin190250320385AB/B:ISO6507-1
※最小硬さはRmの代用
max250320380435
下降伏点Rcl. N/mm2min480---A:ISO6892(引張試験)
※l≧6dの場合だけに適用する
0.2%耐力Rp0.2 N/mm2min-6409401100
破断後の伸び A%min-1298
絞り Z%min-524844A:ISO6892(引張試験)
くさび引張強さ最小引張り強さRm,minより小さくてはならないB:ボルトのくさび引張試験
破壊トルク MBN・mmin-ISO898-7に規定ISO898-7(ねじり試験)
※Rmの代用
保証荷重応力 Sp N/mm2440580830970B:ボルトの保証荷重試験
衝撃強さ KU Jmin-302015A:ISO83(シャルピ試験)

(2)表中の強度区分の数値の読み方

 最初の数字は、最小引張り強さの呼びの値の1/100を表します。
 2番目の数字は、引張り強さに対する降伏強さ(降伏点または耐力)の比を表している。

■例:強度区分10.9について
最小引張り強さボルトが耐えられる最大荷重を示す
呼び径3mm以上、呼び長さ2.5d以上のボルトが対象
降伏強さボルトが塑性変形を起こさず耐えうる最大荷重を示す
延性ボルトが破壊するまでの塑性変形量の多さを表す

(3)機械的性質の各項目

最小引張り強さ ボルトが耐えられる最大荷重を示す
呼び径3mm以上、呼び長さ2.5d以上のボルトが対象
降伏強さ ボルトが塑性変形を起こさず耐えうる最大荷重を示す
延性 ボルトが破壊するまでの塑性変形量の多さを表す

(2)鋼製ナットの機械的性質

ナットの強度区分の表し方は、ねじの呼び径に応じた保証荷重応力値で表現されます(【表2】参照)。組み合わせるボルトの強度区分に対応したナット強度を選定します。
【表2】の強度区分8のナットと強度区分8.8の鋼製ボルトとを対で使用することで、ボルトとナットのかみあいねじ部(ねじ山の部分)が破壊せずに、ボルトの軸部が破断するような強度で設計されています。
【表2】中のスタイルの数字:
スタイル:1 → 材料強度が比較的高く、ナット高さが0.8d〜0.9d程度のナットを表します。
スタイル:2 → 材料強度が比較的低く、ナット高さが1d程度のナットを表します。

【表2】鋼製ナット(並目)の機械的性質(ISO898-1:1998より抜粋
ねじ呼び径
d
mm
強度区分 8
保証荷重応力 Sp
N/mm2
ビッカース
硬さHV
熱処理スタイル保証荷重応力 Sp
N/mm2
ビッカース
硬さHV
熱処理スタイル
minmaxminmax
d≦48001803021-----
4<d≦7855200
7<d≦10870
10<d≦16880
16<d≦39920233353 8901803022

 次回は、ねじの機械的性質を示す強度区分について、ステンレス鋼製ボルトの表示法を解説します。

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