エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2006年09月29日

カテゴリ : 自動化要素技術

第272回 ねじ−13:ねじのゆるみと防止策

 ボルトで2つの部品が締結された状態は、ボルトが伸び被締結部材は圧縮変形を生じており、この状態で引張力と圧縮力がつりあっています。この2つの部品間で締結力がつりあった状態に、外からの衝撃力や振動など何らかの外力が作用すると、ボルトにゆるみが生じる場合があります。ねじのゆるみは、装置破損、不良品の生産、事故などに繋がる重大欠陥の要因となります。ここでは、典型的なねじのゆるみのメカニズムと、代表的なゆるみ防止策について解説します。

(1)ねじのゆるみ

2部品を締結したボルトがゆるみを生じるのは、次のa)、b)が同時に生じる場合である。(【図1】参照)
a)締結部に2部品の接触面1〜4があり、被締結部材に外力が加えられ、
b)ナットの接触部1のおねじとめねじ間にすきまがあり、相対すべりが生じた場合
ねじのゆるみに影響を与える外力は、【図1】の4種類の力<ア)〜エ)>が挙げられる。これらの外力がボルトに「戻り回転運動」を及ぼしゆるみを生じさせる。(【表1】の下の欄参照)
ア)軸方向外力 イ)軸直角方向外力 ウ)軸回りモーメント エ)曲げモーメント

図1

上記以外に、温度変化(膨張・収縮作用)、挿入材の機械的特性、摩耗などによる「戻り回転運動」を伴わないゆるみ現象もある。(【表1】の上の欄参照)
【表1】に「ねじのゆるみの基本パターン」を整理しました。
【表1】ねじのゆるみの基本パターン
戻り回転によらないゆるみ
1. 初期ゆるみ
・締結接合面の表面凹凸が外力でへたりゆるみが生じる等
2. 陥没ゆるみ
・座面部の塑性変形によるもの
3. 摩耗によるゆるみ
・振動や長時間運転による接合面の微小摩耗ですき間が生じる等
4. 挿入材のへたり・破損などによるゆるみ
5. 過大外力によるゆるみ
6. 熱変形、リラクゼーション(応力弛緩)によるゆるみ
・異種材料の締結時に特に留意が必要
戻り回転によるゆるみ
(外部から力が働いた場合)
7. 軸回り方向の繰り返し外力作用による
8. 軸直角方向の繰り返し外力作用による(【図2】
9. 軸方向繰り返し外力作用による

図2


(2)ねじの代表的なゆるみ止め部品

 ねじの代表的なゆるみ防止法と使用されるゆるみ止め部品を、次表にまとめました。

【表2】ねじのゆるみ防止法とゆるみ止め部品
ねじのゆるみ防止法代表的なゆるみ止め部品
a)へたり等の永久変形をばね作用で防止ばね座金
b)ねじ部のすべりに対する抵抗を増大させ戻り回転を防止ダブルナット
b)座面すべりに対する抵抗を増大させ戻り回転を防止接着剤

 次回から、エアー駆動アクチュエータ(エアーシリンダ)と周辺技術を解説します。

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