エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2006年10月13日

カテゴリ : エアー駆動

第276回 エアー駆動アクチュエータと周辺技術−4:エアーシリンダの推力と調整の勘所

 エアーシリンダの推力計算については、第27回ですでに解説しています。ここでは、実際にエアーシリンダを選定するときのシリンダ推力効率μの決め方と、絞り弁の調整について解説しました。

(1)エアーシリンダの推力計算(第27回の復習)

1. エアーシリンダの推力は、パスカルの原理から次式で算出できます。
エアーシリンダの(理論)推力(F)=ピストンの受圧面積(A)x使用圧力(P)

2. 実際には、エアーシリンダ内部の部品同士の摺動抵抗や連結した駆動部の摩擦抵抗により計算で得られる推力よりも低い値となります。この効率がシリンダ推力効率:μです。
実際のエアーシリンダ推力=ピストンの受圧面積(A)x使用圧力(P)xシリンダ推力効率(μ)


(2)推力調整との関係

エアーシリンダのピストン部の内部構造によりピストンの前進時と後退時では受圧面積が違います。後退時の受圧面積はピストンロッドの断面積分だけ小さいので、後退時の推力は弱くなります(【図1】参照)。
図1

この前進時と後退時の受圧面積の違いにより生じる推力の差分だけ絞り弁の調整に差を持たせ、往復動作時の前進と後退の作動状態の違いを少なくするのが、エアーシリンダの絞り弁調整の勘所です。

(3)シリンダ推力効率:μの選び方

シリンダ推力効率:μは次の式で定義されています。


シリンダ推力効率:μはエアーシリンダの駆動運転状態により変化します。次の数値が目安です。(【図2】参照)
図2

エアーシリンダの動作パターン(【図3】)には、加速域、等速域、減速域の3つのパターンがありますが、加速・減速域では作動安定性は得られません。停止位置精度を要する場合などは、等速域の範囲を使用すること。
図3

 次回から、自動機や治具を構成する機構部品の加工法と加工技術の基本について解説します。

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