エンジニアのための技術講座

ローコストオートメーション講座

掲載日:2008年02月15日

カテゴリ : 直動部品

第341回 ボールねじを極める−9:ボールねじの運転性能

 送りねじは、回転運動を直線運動に変えたり、大きな力を発生させるために使用する機構要素です。送りねじの種類と求められる性能は、次の内容です。

送りねじすべりねじ面接触状態のすべり軸受と同じ接触状態の送りねじ
ボールねじ転がり軸受と同じ点接触・転動運動の送りねじ
静圧ねじ空気や油の媒体を介して非接触状態で力を伝達する送りねじ

(1)ボールねじの運転性能

 ボールねじの運転性能の特徴は、摩擦抵抗が極めて小さい送りねじ性能です。これは転がり軸受と同じように、鋼球の転動運動で力を伝達させる構造によります。

(1)静摩擦トルク
静摩擦トルクとは、直線運動のときの静摩擦抵抗に対して、回転運動のときに静摩擦トルクとなるものです。
ボールねじの静摩擦トルクは、送りねじ軸が回転を始める最初のタイミングに、鋼球がねじ溝上を転動せずにわずかに"すべる"挙動から生じると考えられています。
この静摩擦トルクを生じさせる鋼球とねじ溝のすべり摩擦が、ボールねじの摩耗の大きな要因となっています。
静摩擦トルクは、ねじ軸の回転方向(正転、逆転)で異なります。
また、ナット内部の鋼球循環路の位置(下側配位、上側配位など)によっても異なってきます。

(2)動摩擦トルク
直線運動の動摩擦抵抗に対して回転運動の動摩擦トルクです。
運動状態の摩擦抵抗に当たるもので、鋼球サイズとねじ溝サイズの関係で生じる予圧の大きさや、潤滑油の特性などの影響を受けます。
ねじ軸の回転数に応じて動摩擦トルクも変動します。
オーバーサイズの鋼球の場合、オーバーサイズ量により急激に動摩擦トルクは増大します。(【図1】参照)
シングルナットに対してダブルナットの場合は、鋼球数の多さや接触ねじ溝長さの増大による平均化効果により、動摩擦トルクの変動が抑制されます(【図1】b)参照)。

【図1】ナット構造と動摩擦トルクの関係解説

(3)摩擦トルクの変動
摩擦トルクの変動はモーターの速度変動に影響を与えるため、直線運動の速度ムラや位置決め精度の変動の要因となります。
JIS B1192にトルク変動率が規定されています。
■例
 基準トルクが0.2〜0.4N・mの範囲で、ねじ部有効長さが4000mm以下、C3等級のボールねじのトルク変動率は±45%と規定されています。

 次回は、ボールねじの高速化について解説します。



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