エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2000年08月01日

カテゴリ : 技術トピックス

第3回 MuCell Process 米国・最新射出成形技術

 2000年6月下旬に、アメリカ合衆国シカゴで開催されたミレニアム最大のプラスチック産業見本市「NPE2000」では、数々の最新技術が出展されました。

 その中で、注目されたユニークな新技術の1つが「MuCell(ミューセル) Process」です。
 この技術は、マサチューセッツ工科大学にて発明され、現在はその関連ベンチャー企業であるTrexel社が基本特許を保有し、世界8社の射出成形機メーカーとライセンス契約をしています。
 この技術の特徴は、特殊な樹脂混練シリンダー中に、窒素ガスまたは炭酸ガス(CO2)を、スーパークリティカルな状態で封入し、一般の射出成形と同様に金型内に射出、充填、冷却し、成形品を取り出す工程を踏みます。
 得られた射出成形品は、外観上は何ら一般の射出成形品とは変化が見られませんが、サンプルを手にしてみるとその差に気がつくはずです。つまり、一般の成形品よりも明らかに(20%程度)軽いのです。
 その理由を知るために、成形品を切断してみると、表面はソリッド状なのですが、中心部は微細な気泡が無数に生成されており、スポンジ状(ハニカム状)となっているのです。

 このように、表面が固まりであり、内部が微細気泡であるために、全てが固まりである一般成形品と比べて軽量化が図られている訳です。また、微細な発泡(泡の直径が50ミクロンメートル以下)の集合体であるため、機械的強度は著しい低下には至らないユニークな特徴もあります。

 以下に、この技術の特徴を挙げてみます。

  1.軽量な成形品が得られる。
  2.成形サイクルが短縮される。中心部の固化時間が短くなるため。
  3.スクリュー加熱温度が低く設定できる。省エネ効果あり。
  4.樹脂の粘度を低下できる。したがって低圧力で充填ができる。
  5.保圧時間が短くできる。
  6.そり、変形が著しく低減できる。ガスアシスト成形と原理は類似。
  7.成形品の表面は、一般射出成形品と外観は変わりない。
  8.樹脂は、PS、ABS、PP、PA6、PPS、ガラス繊維入り樹脂など幅広い応用が可能。
  9.金型の取り個数を増やすことができる。

 以上のように、この新成形技術は、特筆すべき技術内容を含んでおり、今後様々な分野で応用される可能性が極めて高い模様です。
 この技術を利用するためには、ライセンス契約が必要であり、射出成形機メーカーを通じてのT社との実施契約締結が現在のところ、必要です。



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