エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2000年08月22日

カテゴリ : 技術トピックス

第6回 電動式射出成形機の特徴

 最近では、全電動式プラスチック射出成形機が、小型機を中心に急速に普及を始めています。
 全電動式射出成形機は、15年ぐらい前から実用化の研究が始まりましたが、ここ数年でその機能が格段にレベルアップしたことが、普及の原動力になっているものと思われます。

 全電動式射出成形機の特徴は、以下のような点が挙げられます。

1. 消費電力エネルギーが油圧式成形機に比較して大幅に少ない。40〜50%程度削減可能。つまり毎月の電気使用料金が安くなる効果がある。
2. サーボモーターにより射出装置の制御が正確にできるので、成形条件の安定化が図られる。
3. 低騒音で成形加工ができる。
4. 通常4つ以上の独立したモーターにより、型開閉、射出、突き出し、計量ができるため、成形工程を並列進行させることが可能になり、結果的に成形サイクルを短縮できる。
5. 突き出し量の正確な制御、多段突き出しなど、油圧機では難しかった作業が可能。
6. 射出速度を早くすることが困難であったが、最近では1000mm/sから2000mm/s水準の条件も出せるようになってきている。
7. 油を使用しないので成形環境がクリーンとなり、食品容器や医療関係の成形では好都合である。
8. 現在のところ、成形機の価格が油圧機に比較して割高である。

 全電動式射出成形機は、ヨーロッパ、アメリカ、カナダでの普及の方が日本よりも先行していますが、IT関連産業や自動車産業の新商品に使用される射出成形品には、電動式の長所を大いに活用することが期待されています。

 射出成形機が進化することにより、金型にもそのための技術水準の向上が、徐々に求められるようになってくると考えられます。例えば、精密な位置決め機構やエアベント機構、金型温度調節機能などのレベルアップが必要になるでしょう。
 金型用標準部品の世界でも、このようなニーズに対応した新商品が開発されてゆくものと推測されています。



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