エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2003年04月01日

カテゴリ : 成形不良対策

第130回 成形不良の解決対策(ショートショット)

 ショートショット(shortshot)は、成形品の一部に不完全な充填が起きる現象です。

 ショートショットには、性格的に2種類の原因が考えられます。
 1つ目は、溶融樹脂が流動する途中で、流動先端部分が冷却固化するために発生するものです。
 2つ目は、流動する過程で、流れの状況によって空気溜まり(エアトラップ、air trap)が生ずるために発生するものです。

 ショートショットの解決対策としては、上記のいずれのタイプであるかを確認する必要があります。

■流動先端固化によるショートショットの場合

(1)金型に関連する対策
1. ゲートサイズを広げる。
2. ランナーサイズを広げる。
3. スプルーを太くする。
4. コールドスラグウエルが小さい。
5. 型板の下面に断熱板を設ける。
6. ゲート本数を増やす。
7. ゲート位置を変更する。

(2)射出成形条件に関する対策
1. 樹脂温度を高めにする。
2. キャビティ表面温度を高めに設定する。
3. 充填圧力を高めにしてみる。
4. 保圧を高めにしてみる。
5. 保圧時間を長めに設定してみる。
6. 計量値を増やしてみる。
7. クッション量を増やしてみる。
8. 射出成形機を変更してみる。
9. 射出ユニットの逆流防止リングの交換を行う。
10. 射出成形機の射出ノズル先端直径を太いサイズに変更する。

(3)成形品デザインに関する対策
1. 成形品の肉厚を増やす。
2. 流動しにくい部分の周辺にリブを設ける。

■エアトラップによるショートショットの場合

(1)金型に関連する対策
1. エアトラップ発生部分に効果的なエアベントを設ける。
2. ゲート位置を変更する。
3. ランナーバランスを変更してみる。
4. 流れの悪い部分を加熱できる構造にしてみる。
5. 流れの悪い部分を分割入れ子構造にしてみる。

(2)射出成形条件に関する対策
1. 射出速度を変更し、流動パターンを変えてみる。
2. スクリューの速度・圧力切り換え位置を変更してみる。
3. 射出速度をゆっくりにしてみる。
4. キャビティ表面温度を高めに設定してみる。
5. 型締め力を少し低めに設定してみる。

(3)成形品デザインに関する対策
1. 成形品の肉厚を不均等にすることを検討してみる。
2. 成形品の肉厚を増やす。



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