エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2005年06月24日

カテゴリ : 技術トピックス

第224回 技術計算の計算結果の考え方

 金型設計を行う際には、部材の強度計算や樹脂挙動の予測等を理論計算しますが、その計算結果をどのように考えればよいのかについて説明をします。

 強度計算等の理論計算式は、各種の実験データの積み重ねによって得られた経験データを、数学的に表現して導かれています。
 計算された結果は、確率的に信頼性の高い、ある範囲のばらつきの中に収まるような数値が得られるものと考えられます。
 しかしながら、実際の設計された条件は、素材の出来具合、力の作用状況、外気の温度変化などの不確定な要素によって、微妙に計算で求められた結果とはずれが生じる可能性を、常に含んでいるものと考えることが重要です。

 理論計算等によって得られる最も真の値に近い結果のことを「最適解(Optimal solution)」と呼びます。しかし、実際の設計実務においては、最適解がきちんと見出せる可能性はほとんどありません。なぜならば、理論計算に用いている全ての前提条件が満足される状態で金型が使用されるケースは、ほとんどありえないからです。

 では、実際の設計では、どのように計算結果を使用するのが上手い方法なのでしょうか?
 「最適解」の周辺には、通常「満足解」と呼ばれる解がいくつか存在します。満足解は、最適ではないけれども、ほぼ所望の結果を満たすことができる解のことです。最適解が100点満点であれば、満足解は80点ぐらいといった関係です。
 計算で得られた最適解に安全率、ばらつきの傾向などを加味して満足解は得ることができます。

 さらに、満足解の中でも最適解に近いグループを「近似最適解」と呼んでいます。近似最適解は、社内実験等で検証されたデータを持っている場合に、精度良く予測できる場合に得ることができます。近似最適解を導くことができれば、。より理想的な設計ができるようになります。コンパクトな設計、無駄のない設計、リスクの少ない設計ができます。
 そのためには適切な実験を行い、センサーや結果の定量計測によってデータを集めて解析をすることが重要です。これからの金型設計では新しい素材が使用されますから、このような近似最適解が得られる技術的なバックボーンをいち早く入手することが、企業の技術競争力を高めるためには有効です。

 技術計算結果から得られる解(模範解答)の関係は、整理すると以下のような関係になります。
 最適解 > 近似最適解 > 満足解 > 実行可能解 > 実行不可能解



紙図も型番も要らない3Dダイレクト調達 meviy【メヴィー】

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る