エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2006年02月10日

カテゴリ : 技術トピックス

第254回 焼き入れと質量効果

 コアピンやエジェクタピンなどの特殊鋼製プラスチック射出成形金型用部品の多くは、焼き入れをして硬度を上げ、強度を改善して使用されています。
 鋼材の焼き入れは、炭素鋼特有の変体温度以上の温度域から急冷することにより、マルテンサイト組織を得る熱処理のことです。
 マルテンサイト組織はとても硬くて強い組織です。その発生状況は、焼き入れ時の冷却速度が大きく関与することが知られています。

 冷却速度は部品の厚みによって、表面近傍と内部では差が生じます。差がある程度以上大きくなると、マルテンサイト組織の出来具合も変わってきます。
 鋼材寸法が大きくなりすぎると、表面と内部では冷却速度が異なるので、焼き入れ性の悪い鋼では、内部では臨界冷却速度に到達しないので焼きが入らなくなります。ここで臨界冷却速度とは、マルテンサイト組織が発生する限界の冷却速度のことをさします。
 このように、鋼材の大きさによっては焼き入れにむらができる現象を「質量効果」と呼んでいます。

 質量効果によって、部品の表面と内部で焼きの入り方に差がある状態ですと、内部に残留応力を蓄積していますから、あとでひずみが発生したり、予期せぬ破損の遠因になる場合があります。

 質量効果による焼き入れのむらを防止するためには、焼き入れ時に下記のような手段を採用します。

1. 焼き入れ前に余肉の削除加工をする。
2. 焼き入れ前に故意に余肉を付けた設計をし、焼き入れ後にその部分を切断する。
3. 恒温炉を使用して、鋼材の内部まで完全に均等な温度に変化させてから焼き入れする。
4. 部品設計上で、部品を複数に分割した設計に変更し、厚肉部が少なくなるようにする。
5. 部品の板厚に対する表面積が大きくなるようなデザインを心がけ、比表面積を大きくして急冷しやすくする。



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