エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2007年04月13日

カテゴリ : 技術情報

第310回 ガス軟窒化処理

 ガス軟窒化処理とは、プラスチック成形金型のキャビティ表面に窒化鉄皮膜を形成させて、硬度が高く磨耗しにくい表面を得る処理のことです。

 処理の方法はアンモニアガス(NH3)と吸熱変性ガスを反応ガスとして使用し、520〜580℃の温度で加熱、保持して炭素鋼の表面に窒素化合物を生成させます。
 この処理により得られる表面皮膜の硬度は600〜1100HVと硬く、耐摩耗性が良好です。ガラス繊維を含んだプラスチック用の射出成形金型では特に顕著な耐摩耗性が発揮されます。
 磨耗量を比べると、冷間ダイス鋼では磨耗量が10倍程度差が出る場合もあります。
 処理皮膜の表面は灰色になりますが、より表面粗さを細かくしたい場合には皮膜形成後に研削加工で再仕上げをして使用する場合もあります。
 耐磨耗性をさらに改善させるためには母材の硬度を高めておくことが有効である場合もあります。

 処理に伴う部品の寸法変化量は、PVD処理等に比べて少ないという利点もあります。

 ガス軟窒化処理はステンレス鋼には処理が困難なのでイオン窒化処理が適しています。
 イオン窒化処理は、処理室の内部に窒素と水素を封入し、被加工物に400〜1000ボルト程度のDC電圧を印加してグロー放電をさせて被加工物を温度上昇させて、イオン化された窒素を窒化鉄として膜形成させます。
 イオン窒化された表面は、光沢面で仕上がります。
 イオン窒化処理は、狭い溝の内面や細い穴の内面は処理されない場合がありますので注意が必要です。

 金型部品の表面処理はめっきや蒸着皮膜といった表面の被覆処理が一般的ですが、窒化処理のように母材の金属組織を化学変化させる方法もありますので、金型の用途によって適宜選択をして使い分けをします。



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