エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2008年05月16日

カテゴリ : 金型材料

第362回 SKD61の焼き戻し

 合金工具鋼のうち、いわゆる熱間ダイス鋼(JIS:SKD61)は、キャビティやコアの材料として使用されています。硬度が比較的高く、磨耗にも耐え、耐衝撃性も比較的高いので細身のコアピンの材料としても重宝されています。

 SKD61は、その優れた特性を発揮するために焼き入れ(クエンチング)を必要とし、焼き入れ後は、焼き戻し(テンパーリング)処理をして金属組織の安定化とじん性改善を行います。
 ところが、SKD61は、焼き戻しの条件で寸法変化と硬度の低下を引き起こすことが知られていますので、その傾向を理解したおかないままに焼き戻しをしてしまうと、思わぬ失敗に陥る場合があります。
 そこで、この講座では、SKD61の焼き戻し特性について解説をします。

(1)焼き戻し処理による硬度の低下

 SKD61を焼き入れ後、焼き戻しをすることであらゆるケースで硬度は低下します。
 例えば、1030℃で焼き入れした素材を焼き戻しますと、焼き戻し温度では以下のような変化が発生します。(このデータは事例であり、ワークの大きさや板厚によっても変動します)

焼き入れ後、焼き戻し前63.5HRC
200℃焼き戻し59.5HRC
500℃焼き戻し59HRC
600℃焼き戻し33.5HRC

 したがって、必要以上に高温で焼き戻しをしてしまいますと硬度は一気に低下してしまいますので耐磨耗性が必要な場合には注意が必要です。

(2)焼き戻し処理による寸法変化

 SKD61を焼き入れ後、焼き戻しをすると、ワーク外形寸法が変化します。焼き戻し温度によって、外形寸法がプラスしたり、マイナスしたりします。焼き戻し後に追加工をしない場合には、あらかじめ焼き入れ前に、焼き戻し後の寸法変動を見込んだ機械工作をしておく必要があります。

例 1030℃焼き入れ
200℃焼き戻し+0.03%
500℃焼き戻し±0%
520℃焼き戻し−0.01%
600℃焼き戻し+0.05%



紙図も型番も要らない3Dダイレクト調達 meviy【メヴィー】

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る