エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2008年06月13日

カテゴリ : 技術情報

第366回 金型設計図面のデバッグ

 プラスチック射出成形金型の図面が完成しますと、組立構造図面、部品図面など合わせて30〜200枚ぐらいの図面が完成することになります。これらの図面に記載された寸法値、寸法公差、材質、熱処理、製作個数などの技術情報は、寸分の狂いがなくチェックされ、デバッグ(英語で”しらみ取り”の意味)されていないとなりません。

 金型図面のデータ作成は、紙図面であってもCADデータであっても、人間の頭脳労働によって作り上げられるものですから、入力ミスや思い違いが潜んでいる可能性を含んでいます。このような人間に起因する不具合のことを”ヒューマンエラー”と呼んでいます。

 ヒューマンエラーは、設計者の力量や経験だけではなく、精神状態や睡眠不足、周囲の騒音や環境などが誘発要因となって発生します。金型図面のデータにヒューマンエラーが存在したまま部品製作を進めてしまうと、最終的には金型部品の再加工や再製作などの多大な経済的な損害を招いてしまいます。
 したがって、設計が完了した段階で早急にデバッグを行い、ヒューマンエラーを発見して、誤記部分を正しく訂正することが必要です。

 しかし、このヒューマンエラーを発見することは容易ではありません。設計者は自分の作品である設計図面にはプライドと自信を持っています、これらのあら探しにも映るヒューマンエラーを探す作業には精神的な抵抗もあるのが事実です。また、他人の書いた図面の不具合を見つけることも大変難しいものがあります。

 そこで、このようなヒューマンエラーを高い確率で発見し、システムとして機能させるためにはチェックリストの活用が効果的です。
 チェックリストを用いてシステム的にデバッグすることで設計者のプライドを傷つけることなく、しかも効率的にデバッグをすることができます。(詳しいチェックリストの内容は次号で紹介します)

 チェックリストを用いたデバッグの進め方のポイントを、以下に記します。

(1)デバッグは、朝一番で実施します。夕方や夜は疲れがたまっていて見落とす危険性があります。
(2)デバッグの前には休憩や体操、一服をして客観的な心理状態を整備します。
(3)デバッグは1時間に1回程度休息を入れ、リフレッシュを図ります。
(4)デバッグする環境は、十分に明るく、静かで、新鮮な空気がある環境で行います。
(5)局所のみに目が行き過ぎないように、視線を離して遠隔から眺めて、全体像とのバランスを考慮します。
(6)設計者としては誠心誠意を込めて作図したことを尊重し、ヒューマンエラーは悪意ではなく発生したものだということを正しく理解して、デバッグにあたるようにします。



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