エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2009年06月19日

カテゴリ : 金型材料

第415回 炭素鋼の成分と組織

 市販されている炭素鋼の主要成分は、鉄(Fe)と炭素(C)ですが、鉄鉱石からの精錬の過程で不純物として硫黄(S)0.03%程度、リン(P)0.01%、珪素(Si)0.05%含んでいるのが一般的です。

 炭素鋼は、炭素含有量によってその組織が変化することがわかっています。室温(20℃前後)では、炭素鋼は通常は純鉄(Fe)とセメンタイト(cementite,Fe3C)という結晶組織を形成しています。炭素鋼は常温では金属結晶という組織を形成しています。旋盤やフライス盤で炭素鋼を切削加工する際に発生する切り屑(切り粉)の組織もこの組織をしているということになります。
 炭素の含有量が多くなるほど、セメンタイトの量が増えて行きます。セメンタイトの量が増えると硬さが増して行きます。

 ここで、セメンタイトとフェライトの存在のしかたですが、通常は、交互に縞模様となって指の指紋のような形状で存在しています。このフェライトとセメンタイトで形成された縞模様組織をパーライト(Pearlite)と呼んでいます。この呼び名は、真珠(Pearl)のように輝いて見えるところから来ていると言われています。

 最初の話しに戻りますと、つまり炭素鋼は、室温ではパーライト組織で存在しているということになります。本当かどうかを確認するためには、炭素鋼をよく磨いてから薄い酸で腐食させて、200倍ぐらいの倍率で顕微鏡で観察してみるとパーライトの縞模様を観ることができると思います。

 炭素量が0.8%の炭素鋼のことを特に「共析鋼」と呼んでいます。炭素量が0.8%未満の場合には「亜共析鋼」、0.8%~2%の場合には「過共析鋼」と呼んでいます。

 亜共析鋼も過共析鋼も、室温から温度を上げていき、770℃(A2変態点)までは強い磁性を帯びています。炭素含有量の差によってはA2変態点の温度はほとんど変わりません。

 共析鋼をさらに温度を上げていくと、723℃(A1変態点)以上でパーライトからオーステナイトという組織に変わります。
 オーステナイトから徐々に冷却してきた場合には、723℃でパーライトに変化を始めます。炭素鋼を温度を上げ下げ下場合には、急冷却しなければパーライトとオーステナイトを言ったり来たりするということになります。
 急冷却してしまった場合には話は違ってきます。



紙図も型番も要らない3Dダイレクト調達 meviy【メヴィー】

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る