エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2009年08月21日

カテゴリ : 海外情報

第423回 USAの金型産業(その2)

 先回に引き続き、アメリカ合衆国のプラスチック成形金型産業のお話です。アメリカ合衆国の金型産業成長の牽引役となった基礎技術には下記のような基盤の存在があったからだと考えられます。

・鉄鋼産業→金型用鋼材の供給
・標準部品産業→金型設計・製作の合理化技術
・ホットランナー技術→量産コストの低減。多数個取り金型
・石油化学産業→新素材の提供
・高等教育制度→優秀な理系人材の教育システム
・特許制度→国際産業競争力の強化政策。エジソンの成功例

 しかし、栄華を誇ったアメリカ金型産業は、2008年に突然襲ったリーマンブラザースの破綻に事を発した経済危機の波をかぶり、大きな変革を求められています。また、中国やインドの経済成長に伴って、アメリカ大手製造業の生産拠点はこれらのアジア地域へシフトが著しく、アメリカ国内の製造業はすでに空洞化が進んでしまっています。これに伴って、金型の製造拠点もアジアへシフトが進み、アメリカの金型産業の生産規模は徐々に低下してきているのが現状です。

 しかし、アメリカでは、世界で唯一の宇宙帰還型スペースシャトルを保有し、宇宙空間での科学実験が自在にできるしくみを持っており、また数々のノーベル賞受賞科学者が集中しているのも事実です。このような科学技術の種から全く斬新なプラスチック技術や生産技術が生まれてくることは間違いないでしょう。それが何かはわかりませんが、未知の領域へ踏み込むフロンティア精神を発揮できる国はアメリカが一番であると思います。

 実際に、ニューヨーク-北京を2時間程度で飛行してしまう高速旅客機の開発や、宇宙空間にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行って電力を宇宙から地上へマイクロ波送電する技術、3G携帯i-phone、植物由来生分解性プラスチックなど現在進行形の技術が次々と実用化へ向かっています。これらの新マーケットへ使用するプラスチック成形品や新素材の技術が成長することでアメリカの金型産業の在り方はまた変化を遂げてくることでしょう。

 現在ではあたりまえの技術となっている3次元CAD/CAMもアメリカ航空機産業の開発技術が源の一つでした。現在は、少し元気がないアメリカの金型産業ですが、そう遠くはない時期に全く新しい技術革新を引き下げて必ず復活するでしょう。日本の金型産業でも浮き沈みを繰り返していますが、新しい波に乗って上昇するためには、広い視野で最新情報をキャッチすることが重要です。アイデアをさらに改善して精密に展開する能力は、日本の金型技術の得意技の一つです、技術革新の過渡期であることは間違いありませんから、アメリカやヨーロッパの最新技術を学んで、ヒントを得て金型技術や成形技術を開発するマインドの有無が勝敗を分ける分水嶺になることでしょう。



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