エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2011年01月07日

カテゴリ : 金型材料

第489回 析出硬化鋼

 析出硬化鋼とは、プラスチック射出成形用金型に使用される特殊鋼の一種です。
 通常、特殊鋼を焼き入れして熱処理をする場合には、A1変態点(723℃)よりも高温から急冷却させてマルテンサイト組織を得て硬化させますが、急冷却により大きな残留応力が残り、また寸法変形も発生します。このようなリスクをおかさずに鋼材を硬化させることができるのが析出硬化鋼です。

 析出硬化鋼には以下の代表的な種類があります。

1)SUS630系
2)マルエージング鋼
3)非磁性鋼

 析出硬化鋼が硬くなる原理ですが、容体化処理という方法で処理をして軟質の状態で鋼材は供給されます。そして、キャビティやコア等の部品形状に機械工作した後に加熱して放冷します。すると時効硬化という現象が起こり、鋼材は自然に硬度が上がります。時効硬化では金属間化合物という組織が析出し、これが硬度を高くします。

 熱処理が通常の焼き入れ-焼き戻し鋼よりも簡単ですので、寸法も安定させやすく、用途によって析出硬化鋼は有益な存在です。

 時効硬化の温度は、鋼材によって適温範囲がありますので、それぞれのガイダンスに従って最適な処理を選択します。

 以下に、各鋼材の特徴を述べます。

1)SUS630系

 ステンレス鋼SUS630を改質した鋼材です。硬度が35~40HRCで鋼材供給されており、既に時効硬化されている場合が多いです。耐食性が良好で、腐食性の高い樹脂の金型鋼材に適しています。

2)マルエージング鋼

 鏡面性が極めて良好です。光学部品用キャビティ、レンズキャビティに多用されています。硬度も強度も高く、靭性もあります。細いコアピンや長細部品にも利用されます。

3)非磁性鋼

 プラスチックマグネット用鋼材で磁石に着きません。マグネットは硬度が高く鋼材を磨耗しますので高い硬度が必要になります。容体化処理をすることで硬度が上がり、非磁性の特徴を有する鋼材が得られます。



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