エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2011年02月18日

カテゴリ : 技術計算

第495回 ハーゲン・ポアズイユの式

 プラスチック射出成形金型では、溶融した樹脂材料、冷却水、圧縮空気、油圧の油、キャビティから排気されるガスなど流体が関与した物理現象がたくさん見られます。

 流体とは、水や油だけではなく空気や樹脂も含まれています。流体はエネルギーを持っていますが、流動する途中でエネルギーは摩擦等によって奪われていき、最後には流動することができなくなってしまいます。このような物理現象は、流体力学でかなりのことが解明されています。

 今回は、円形の管の中を粘性を持った流体が流れていく場合にどれぐらいの圧力が奪われていくか?(これを圧力損失と言います)について検討してみます。

 ある円形断面の管(たとえば、チューブや金型の冷却水孔)があって、ある位置1と位置2の間を流体が流れる際にどれぐらいの圧力が損失するのかを予測する計算式が(式1)です。

 p1 - p2 = 32×μ×umean / D2   (式1)

(式1)はハーゲン・ポアズイユの式(Hagen-Poiseuille)と呼ばれています。

p1:ある位置1における圧力(MPa または kgf/cm2
p2:ある位置2における圧力(MPa または kgf/cm2
μ:流体の粘性係数(kgf・sec/m2
mean:円管の中心における流速(m/sec)
D:円管の直径(m)

 ハーゲン・ポアズイユの式から考察されることは、圧力損失は、円管の直径の2乗で変動するということです。冷却水穴や圧縮空気穴の直径によって失われる圧力は大きく変動します。

 また、ランナーの直径によっても流動による圧力損失は大きく変動するということがわかると思います。

 直径の変動は、長さの比ではなく、2乗の比で変化することを知っておくと様々な場面でアイデアを考える場合に役に立ちます。



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