エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2011年06月17日

カテゴリ : 金型材料

第511回 黄銅の性質

 黄銅は、銅と亜鉛の合金で、真鍮(しんちゅう)とも呼ばれています。英名はBrass で、音楽のブラスバンド→金管楽器→トランペットやホルンは黄銅製、ということで皆さんも聞いたことがある名前だと思います。

 黄銅は、耐食性があり、比較的硬くで強度があり、機械加工性も良好でプラスチック成形金型では、冷却水用口金やバッフル板などに多用されていて、ミスミ製品にもたくさん使用されています。

 金属学的には、黄銅は、Cu-Zn系合金と呼ばれます。2つの元素から成る合金であるため、二元系合金という種類になります。(Cuは銅、Znは亜鉛の元素記号です)

 この合金は、固溶体という状態を、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)、η(イータ)の6種類構成しています。

 通常使用されている合金は、αまたはα+β'の2種類です。

 α固溶体は、Znが0から32%の状態で生成される金属組織で、軟質で機械加工性が良好で、塑性加工に適しています。しかし、高温領域ではもろくなる傾向がありますので注意が必要です。

 β'固溶体は、常温ではα固溶体よりも硬くなり、しかも延性が低いですが、650から800℃でβ固溶体に変化して圧延や熱間鍛造ができるようになります。

 Cu60%とZn40%から成る黄銅を四六黄銅(よんろく)、Cu70%とZn30%から成る黄銅を七三黄銅(しちさん)と呼んでいます。

 四六黄銅は、高温での加工が向いていますが、七三黄銅は高温加工には適していません。
逆に七三黄銅は常温での加工が適しています。

 黄銅の比重は、Znの含有比率で変化します。また電気抵抗もZnの含有比率で変化します。

 黄銅の性質で特に知っておきたいトピックスは、置き割れ(Season cracking)という現象です。この現象は、黄銅製品を機械加工した際に製品に残留した残留応力が日時の経過に伴い、大気中の水分、二酸化炭素、塩分、アンモニア等が結晶粒界に腐食を引き起こし、粒界腐食を起こす現象です。応力腐食割れの一種であると考えられます。この現象を回避するには表面をめっきや塗装したり、250から300℃で30~50分ぐらい焼きなましを行うことで応力を開放することが有効です。

 また、使用環境に塩化ナトリウム(食塩)や二酸化炭素を含んだ水等があると金属電池が形成されてZnが電気的に侵食されて腐食する現象である脱亜鉛腐食を発生する場合があります。



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