エンジニアのための技術講座

プラ金型講座

掲載日:2012年08月17日

カテゴリ : 技術情報

第560回 電動式射出成形機

最近では、全電動式プラスチック射出成形機が、小型機(型締力5トン~100トンクラス)、中型機(100トン~750トンクラス)を中心に普及しています。大型機械では3,000トンクラスまで電動機が生産できるようになってきています。

全電動式射出成形機は、15年ぐらい前から実用化の研究が始まりましたが、ここ数年でその機能が格段にレベルアップしたことが、普及の原動力になっているものと思われます。

全電動式射出成形機の特徴は、以下のような点が挙げられます。

  1. 消費電力エネルギーが油圧式成形機に比較して大幅に少ない。40〜50%程度削減可能。つまり毎月の電気使用料金が安くなる効果がある。
  2. サーボモーターにより射出装置の制御が正確にできるので、成形条件の安定化が図られる。
  3. 低騒音で成形加工ができる。
  4. 通常4つ以上の独立したモーターにより、型開閉、射出、突き出し、計量ができるため、成形工程を並列進行させることが可能になり、結果的に成形サイクルを短縮できる。
  5. 突き出し量の正確な制御、多段突き出しなど、油圧機では難しかった作業が可能。
  6. 射出速度を早くすることが困難であったが、最近では1,000mm/sから2,000mm/s水準の条件も出せるようになってきている。
  7. 油を使用しないので成形環境がクリーンとなり、食品容器や医療関係の成形では好都合である。
  8. 現在のところ、成形機の価格が油圧機に比較して割高である。

全電動式射出成形機は、ヨーロッパ、アメリカ、カナダでの普及の方が日本よりも先行していますが、IT関連産業や自動車産業の新商品に使用される射出成形品には、電動式の長所を大いに活用することが期待されています。

また、油圧機のメンテナンス性の良い点を活用した、電動機と油圧機の複合したハイブリッド式も登場しています。日本では、電気使用量の削減が喫緊の課題でもあるため、旧式の油圧機を電動機と交換する需要が東日本大震災以来増えてきています。

射出成形機が進化することにより、金型にもそのための技術水準の向上が、徐々に求められるようになってくると考えられます。例えば、精密な位置決め機構やエアベント機構、金型温度調節機能などのレベルアップが必要になるでしょう。



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