エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2000年10月03日

カテゴリ : 金型設計

第12回 金型の基本構造

 プレス加工用の金型で重要なのはパンチとダイです。次の要素としてストリッパがあります。金型の構造は当然この3要素を中心として構成させています。
 この3要素について整理したものが【図1】です。

図1

 【図1】の内容は、以下の2つによって整理されています。それぞれの構造を説明します。

1.パンチとダイの位置

 パンチが上、ダイが下(順位置)、パンチが下、ダイが上(逆位置)

2.ストリッパの有無と配置

 パンチ側かダイ側か、可動式か固定か

(1)順配置ストリッパレス構造

 材料押さえを必要とせず、パンチに材料が食いつく心配のない加工用に使われます。意外と多くの用途に使われています。例えば、V曲げ型、しわ押さえを必要としない絞り落とし型などがあります。

(2)順配置固定ストリッパ構造

 ストリッパがダイ側にあり、ダイに固定された構造です。代表的な使い方がブランク抜き型です。材料押さえは必要としないがパンチに材料が食いつくときに使います。曲げや絞りの順送加工金型にもよく採用されています。
 構造がシンプルで使いやすいのですが、材料がストリッパでふたをされたようになるため加工部分が見えなくなるので、ストリッパの不要部分を切り取り加工部が見えるように工夫します。

(3)順配置可動ストリッパ構造

 一般的に可動ストリッパ構造と呼ばれ、よく知られている構造です。ストリッパがパンチ側にあり、可動するタイプのものです。この構造は材料押さえが必要で、かつ材料がパンチに食いつくときに使用します。穴抜き型や順送型に多く採用されています。
 精密加工用の金型のイメージもあります。精密加工用の金型ではストリッパをストリッパガイドポスト(ピン)でガイドしてストリッパの動きを規制します。そして、パンチ先端をストリッパでガイドして、パンチとダイの関係を高めます。

(4)順配置下型可動ストリッパ構造

 ストリッパがダイ側にあって、可動する形の構造です。曲げ加工などで材料押さえは必要としないが、パンチについた製品は取りたい、と言ったようなときによく使われます。ストリッパを可動とすることで金型内に材料を挿入するスペースを作ることができるからです。絞りの順送加工でも使われます。

(5)逆配置ストリッパレス構造

 パンチが下、ダイが上となる構造です。逆配置構造では必ずダイの中にノックアウトが必要になることです。ノックアウトはダイ内に入った製品をダイから排出する目的の部品です。ストリッパのないこの構造は絞り製品のトリミング型等によく採用されています。

(6)逆配置可動ストリッパ構造

 下のパンチ側に可動式のストリッパをつけた構造です。材料押さえを必要とする加工に使われます。また、ストリッパの上面を材料が滑って通過しますから、この面を材料案内として使うこともあります。ノックアウトは材料押さえとして使うこともできますから、平坦度を必要とする加工などに使われたり、絞り加工用の金型としてよく使われています。

 同じ加工でも金型構造を変えると品質に変化がでます。材料押さえが必要なのにしなかったときなどです。逆に材料押さえが必要ないのに材料を押さえるようにして、金型を高いものにしてしまうこともあるので注意が必要です。

 構造は、加工に必要な機能に合わせて設計します。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

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