エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2000年10月24日

カテゴリ : 金型設計

第15回 ガイドによる金型構造変化

 プレス加工用の金型は上型と下型から成り立っています。上型と下型の関係が正しくないとうまくプレス加工できなかったり、早く修理が必要になったりします。
 その関係をつくるのがガイドです。このガイドは型合わせガイドとか刃合わせガイドなどと呼ばれます。よく知られているものがダイセットです。
 しかしダイセットは刃合わせガイドの1形式です。【図】でガイド形式を説明します。

【金型の構造】ガイドによる金型構造変化

(1)ガイドのない構造
 ガイドの説明にこの構造が出てくるのは不思議ですが、パンチで直接ダイとの関係を作る構造の金型もあります。また、この構造は金型の基本的な形を示しています。ガイドは二次構造です。ガイドがあることでプレス機械への金型の取り付けが容易になったり、金型の組立が楽になったり、プレス加工中の精度(動的精度)がよくなったりします。ガイドがなくても金型は使えプレス加工はできます。 図1

(2)アウターガイド構造(ダイセット構造)
 最も基本的なガイド構造がこれです。金型の組立とプレス機械への金型取り付けを容易にする目的で発展しました。プレートの外側でガイドすることからアウターガイドと呼びます。パンチ、ダイの関係はダウエルピン(ノックピン)で中継します。ダウエルピンの入れ方でパンチ、ダイの関係精度が決まります。 図2

(3)インナーガイド付加構造
 ダイセット構造にインナーガイド(サブガイド)を付加した構造です。インナーガイドとはプレート内にありガイドするものを呼びます。インナーガイドはストリッパプレートの動きを規制して精度を高めます。パンチ、ダイの関係を決めます。ダウエルピンの中継を必要としないでパンチ、ダイの関係を保てるので精度は向上します。反面、作るのが難しいです。この構造ではダウエルピンがありますから、アウターガイドとインナーガイドが干渉してトラブルを起こすことがあります。 図3

(4)ダウエルピンなし構造
 ダイセット構造にインナーガイドを追加するとダウエルピンの干渉が起こることがあります。その干渉をなくすにはダウエルピンがなければよい、との考えで上か下のダウエルピンを外した構造です。通常は上型のダウエルピンを外すのが多いようです。 図4

(5)インナーガイド構造
 ガイドはパンチ、ダイの関係を作る部品です。アウターとインナーの2つでガイドするのは二重構造です。どちらか片方であればよいとの考えから直接ガイドできるインナーガイドのみとした構造です。小形の金型に適します。大きな金型では上と下を外すのが大変です。 図5

(追)クイックダイチェンジユニット

 シングル段取り等に使うクイックダイチェンジユニットがあります。この構造はダイセット付き金型のダイセットの内部だけ交換するユニットと見ることができます。位置決め用のロケーションピンは可動式のダウエルピンといえます。ゆるみを持ったダウエルピンを使っていますから、小さなクリアランスの金型には使えません(インナーガイドがあれば使える)。

 ガイドは形として付けただけでは十分に機能しません。金型の精度やガイドの使用目的を考えて使いましょう。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る