エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2001年08月28日

カテゴリ : 絞り・成形加工

第54回 金型構造のいろは(その18)絞り金型の構造:下向き絞りの初絞り型

 可動しわ押さえ付きの絞り落とし構造の金型に、ノックアウトを組み込んだ構造です。【図】に構造を示します。

図

 この構造ではブランクからフランジ付きの円筒絞り、またはフランジの無い円筒絞りのどちらにも使用できます。また、パンチとノックアウトで材料をはさんで加工しますから、絞り底部の平坦度はよいです。ノックアウトは、材料押さえとダイの中の製品を排出する2つの役割を持っています。

 この構造の欠点は、深い絞り加工に向かないことです。その理由は、組み込むことのできるスプリングの長さの制約にあります。上型を考えてみると、絞り深さに比例してパンチは長くなります。同時に、しわ押さえ用のスプリングも長くしなければなりません。スプリングのたわみ量の関係からスプリング長さを決めると、パンチ以上に長いスペースが必要になることがあり、上型が大きくなって下型とのバランス関係や、ダイハイトなどから構造の成立が困難、またはできないことがあります。

 同じようなことが、下型のノックアウトのスプリングにもいえます。

 スプリングスペースの関係から、比較的浅い絞りによく使われる構造です。

 プレス作業からこの金型を眺めると、あまり作業性はよいとはいえません。説明しますと、材料は下型の位置決めの中に入れます。上型が降りてきて絞り加工します。加工された製品は、ノックアウトと上型のしわ押さえによって挟まれた状態でダイから排出されますが、しわ押さえで製品を押さえているために、製品はダイ上に残ります。その製品を作業者が取り出し、次に材料を金型内に入れます。作業者は、材料の型内挿入と型内から製品の取り出しの2つの作業をすることになり、絞り落としの材料を型内に入れるだけの内容に比べ、作業効率は落ちます。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

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