エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2001年09月04日

カテゴリ : 絞り・成形加工

第55回 金型構造のいろは(その19)絞り金型構造:上向き絞りの初絞り型

 パンチ下、ダイ上の逆配置構造を用いた絞り金型構造です。金型構造を【図1】に示します。

図1

 絞り加工では大変よく使われています。この構造では、しわ押さえをブランクホルダと呼ぶことが多いです。しわ押さえにブランクの位置決めを作っているためです。
 加工する材料はブランクホルダに乗せ、下から上に向かって絞り上型のダイの中に製品は入ります。入った製品はノックアウトによって上死点近くでダイより排出され、エアー等で型外に飛ばされます。

 ノックアウトの方法を【図2】に示します。

図2

 【図2】(a)は、絞り加工が完了した下死点の状態を示しています。下型のパンチで絞られた製品はダイの中にあります。製品によってノックアウトは押し上げられています。ノックアウトとともに、ノックアウト棒およびプレス機械の「かんざし」が連動して押し上げられています。
 この状態から、プレス機械のスライドは上死点に向かって上昇しますが、ダイの中に入った製品はそのままです。上死点近くまで上昇すると、「かんざし」はかんざし調節ねじに当たります。当たることによって「かんざしは」下げられノックアウト棒を経由してノックアウトを下げ、製品をダイより外へ排出します。【図2】(b)は排出が完了した状態を示しています。
 このノックアウト機構で怖いのは「かんざし」の調節です。誤ってかんざし調節ねじを下げすぎるとノックアウト棒を曲げてしまう。最悪では上型がスライドから外れて脱落する。事故につながります。ノックアウトを使用しないときやノックアウトの調節前では必ず、かんざし調節ねじをいちばん上まで上げておくことです。

 【図1】に戻って下型のダイクッションに着目します(この図は小さな金型を示しています。大きな金型ではダイクッションはプレス機械の付属装置となります)。ダイクッションはプレス機械のボルスタ穴を通って下に抜けています。したがって、かなり長いスプリングが使えます。かなり背の高い絞り製品でも加工できることを意味しています。下向き絞りで加工が難しい製品でも加工が可能となります。
 プレス作業は材料をブランクホルダに置くだけでよいので、下向き絞りより作業性はよいです。
 ブランクからの加工形状はフランジのある絞りでも、無いものでも対応できます。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る