エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2002年11月12日

カテゴリ : 絞り・成形加工

第112回 絞り加工の現象・原因・対策(その3)側壁しわとボデーしわ

 円筒絞りで、【図1】に示すように側壁部分に発生するしわがあります。口辺しわはダイR部分のみに現れますが、側壁のしわはダイR部下から側壁にかけて発生します。パンチR部から少し上にかけての発生は少ないです。 図1

 このしわの発生原因は、絞りクリアランスが大きいことにあります。普通絞りでは絞り過程での板厚増加を見込んで素材板厚より最大で40%ほどにまで大きくしますが(初絞りのとき)、それ以上にクリアランスを大きくしたときに発生します(【図2】参照)。ブランクと素材板厚の関係に相対板厚と呼ぶものがあります。クリアランスが大きく、相対板厚の値が小さい状態では更に側壁しわは発生しやすくなります。 図2

 【図3】はボデーしわを示しています。 図3

 ボデーしわは側壁の中間部分にでます。半球絞りやテーパ絞りの加工でよく発生します。絞り加工途中で材料拘束がなくなったときに発生します。そのようすを示したものが【図4】です。絞り過程で、ダイRとパンチR間の材料がフリーになっていることがわかります。この状態のときにしわが発生します。追加条件として、しわ押さえ圧力が弱い、相対板厚が小さいときは、更に顕著にボデーしわは発生します。 図4

 このようなことから、断面が円形の絞りでは横から見た形状が、側壁が垂直な円筒絞り、側壁が傾いているテーパ絞り及び半球絞りの順で加工が難しくなります。側壁の拘束状態の違いが要因です。深いテーパー絞りでは、ボデーしわをさけるために円筒絞りでテーパーに近似した階段状に絞り、その状態からテーパーに仕上げる工程を取りますが、このボデーしわを発生させないための対策といえます。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

このサイトは、株式会社ミスミが運営・管理しています。

当サイト上のコンテンツの著作権は株式会社ミスミに帰属します。
無断利用・転載を発見した場合は、法的措置を取らせていただくことがあります。

ミスミのeカタログ

メカニカル部品 | ねじ・ボルト・座金・ナット | 工業用素材 | 配線部品 | 制御部品・PC部品
切削工具 | 生産加工用品 | 梱包・物流保管用品 | 安全保護・環境衛生・オフィス用品 | 研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品 | プラ型用部品

ご利用にあたって  会社概要

ページトップに戻る