エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2003年06月03日

カテゴリ : 金型設計

第138回 曲げ加工の問題点と対策(その5)Z曲げの角度変動と割れ

 1度の加工で作られるZ曲げ加工では、フランジ部分が曲げ戻し変形を受けることから、曲げられた部分は、ウエッブと平行なダイを用いて加工すると【図1】に示すように跳ね上がり、ウエッブ部分と平行にはなりません。SPCC材では、おおよそ2〜3度跳ね上がります。 図1

 また、垂直部分は板厚減少を起こしやすく、その影響から最悪、【図2】に示すように破断してしまうことがあります。 図2

 以上が1度で加工するZ曲げ加工の問題点です。

 Z曲げの加工過程を示したものが【図3】です。

図3

 材料はパンチで曲げ変形を受け、曲げられますが、パンチ下の材料はダイに当たり、図のような形に変形します。パンチの下降ともに、材料は垂直部分の方向に引き寄せられますが、このときかなり大きな変形抵抗が生じます。その影響が垂直部分の板厚減少となって現れます。パンチ下の材料はしなるように変形する影響が、跳ね上がりの原因となります。

 この対策として、跳ね上がり対策としては【図4】に示すように、パンチ下のダイに角度を付け跳ね上がりを相殺するようにします。

図4

 破断対策としては、材料にかかる変形抵抗を軽減する方法を考えます。【図5】を参照に説明します。

図5

 加工に大きな影響を与えるのが、パンチRです。このRは製品のRと同じであるため問題となります。できるだけ大きなRとすることがよいです。

 段差(H寸法)の大きさも影響します。1回でのZ曲げ加工は、段差が板厚の5倍以下が目安となっています。小さいほど加工が楽になります。

 パンチ下の材料が加工途中で変形するとき、できるだけ大きな空間の方が材料にかかる抵抗を減らすことができます。

 垂直部分のクリアランスを大きくすることも対策となりますが、曲げ部の跳ね上がりが大きくなる問題を含みます。

 材料に接するパンチの面粗さをよく仕上げることも対策となります。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

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