エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2003年10月14日

カテゴリ : 金型材料

第155回 金型用鋼材のいろは(その2)鋼材の性質(耐衝撃性)

 プレス金型に用いるパンチ、ダイ(工具)には加工力が働きます。その加工力は衝撃に近いものです。型材質と衝撃について考えてみます。

(1)靱(じん)性

 工具には、その形状をいつまでも維持し、多くの生産ができることを期待します。それは「工具が摩耗せず、初期形状を長く維持すること」です。摩耗は工具の硬さが大きな役割を担っています。
 材料の性質を考えると、硬い:摩耗しにくいイメージと、脆い(もろい)、これを脆性(ぜいせい)と呼びまが、力が加わると変形せず、すぐに砕けるようなイメージがあります。
 軟らかい:摩耗しやすい、延びやすい(延性)というイメージがあります。工具にとっては好ましくない性質です。
 もうひとつ、力に対する変形や破壊のしにくさという性質があります。少し分かりにくいイメージですが、「粘い」と表現されるものです。これを「靱(じん)性」と呼びます。JISの用語解説では、じん性を「粘り強くて、衝撃破壊を起こしにくいかどうかの程度」と説明しています。
 工具鋼の耐衝撃性では、材料の持つじん性がキーワードになります。

(2)焼き入れ、焼き戻し

 材料は軟らかくすれば、粘くなるかというとそうでもなく、調質(焼き入れ、焼き戻し)を行うと、何もしない材料に比べ硬くて、衝撃に強い状態となります。調質とは、焼き入れ後に比較的高い温度(400℃以上)で焼き戻しを行う操作をいいます。一般の焼き戻し(200℃前後)との温度の違いに注意しましょう。
 焼き戻しで注意することがあります。焼き戻し脆性と呼ばれるものです。焼き戻しをすることで、衝撃に対する強さが低下することをいいます。焼き戻し脆性はいくつかの温度に現れます。300℃程度のときに現れる「低温焼き戻し脆性」、500℃程度のときに現れる「一次焼き戻し脆性」およびさらに高い温度で現れる「二次焼き戻し脆性」です。



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