エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2003年11月25日

カテゴリ : 金型材料

第161回 金型用鋼材のいろは(その8)金型に使われる超硬合金

 プレス金型に使われている超硬合金は、タングステン・カーバイド(WC)とコバルト(Co)との合金です。材料の主体はWCで、Coはバインダー(接着剤)の役割をしています。Co量は5〜25%範囲でです。

 超硬合金はCo量が増えると硬度は低くなります。
 超硬工具協会の規格019で、V10、V20、V30、V40、V50、V60という規格があります。
 V10では、Coは5%位、V30では、12%位、V60で、25%位が目安となります。
 硬さはV10で89HRA以上、V30で87HRA以上、V60で78HRA以上です。ちなみに85HRAは、67HRCに換算されます。

 硬さはCo量の他に、WCの粒子の大きさも関係します。粒子が小さい方が硬さが増します。普通の超硬合金の粒子は2.5〜1.5μm位です。超微粒子と呼ばれるものでは、0.7〜0.5μm位です。
 超微粒子材になると、耐摩耗性と脆さの両方の性質を高めることができます。
 超硬合金は硬いが脆い材料です。使う用途によって硬さと脆さのバランスを考えて材質を設定します。  プレス金型では、V30、V40あたりが基準となります。

 抜き型では、パンチにV30、ダイにV40あたりを使います。曲げや絞り加工では、少し硬めのV30、V20あたりを使い耐摩耗性を優先します。圧縮加工では柔らかめのV50、V60あたりを使い、破損に備えます。
 材質の選択が適正であっても面粗度が悪いと、超硬合金であっても期待する寿命を満足できないことがあります。切り刃などはラッピングして面粗度をよくすることが対策となります。しかし、銅、ニッケル及び純鉄などの加工をしますと超硬の摩耗が早いことがあります。これは、超硬合金に含まれるCoと、銅やニッケルとの親和性の関係で超硬の摩耗が進むことが原因です。
 超硬合金は硬く万能のように思えますが、使い方によっては期待通りにならないこともあるので注意して下さい。

 材質を超硬工具協会の規格で説明しましたが、超硬メーカーでは記号が違います。協会の規格を基準として比較し、選択するようにして下さい。



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