エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2004年01月13日

カテゴリ : 絞り・成形加工

第167回 プレス加工力(その4)絞り加工力

 円筒絞りに要する加工力(P)は、円形ブランクをパンチがダイに押し込んでゆく力です。加工力に関係する主なものは、ブランク材の変形抵抗です。その他に、ブランク材と金型との摩擦、しわ押さえ力(しわ押さえ力に関しては、連載の第10回を参照して下さい)といったものが、関連が大きなものといえます。これらの合計が必要な絞り加工力です。

 円筒絞りの加工力は、次の計算式がよく使われています。【図1】を参照して下さい。

P=K・π・d・t・Ts(Kgf)
  P:絞り加工力(Kgf)
  K:係数
  π:円周率(3.14)(mm)
  d:絞り径(mm)
  t:板厚(mm)
  Ts:引張強さ(Kgf)
図

 絞り力に関係する要因としては、材料の引張強さ、絞り率、相対板厚(材料板厚/ブランク径×100(%)で表される)が大きな関わりを持っています。
 係数(K)は、絞り率が一定であれば、相対板厚が大きいほど小さくなり、相対板厚が小さくなると逆に大きくなります。限界は1.0です。
 上式では、Kが1を越えると材料が破断することを意味しています。
 相対板厚が一定とすると、絞り率によって変化します。
 鋼板(SPC)を例に係数を参考に示します。
 相対板厚を1.2%の場合のKの値です。

(1)初絞り

  絞り率(m)=0.50→K=1.0
         0.55→K=0.80
         0.6→K=0.68
         0.7→K=0.42

(2)再絞り

  絞り率(m)=0.75→K=0.90
         0.80→K=0.62
         0.82→K=0.52
         0.85→K=0.42
         0.90→K=0.20

 初絞りと再絞りでは同じ絞り率であれば、再絞りの方がKの値は大きくなります。材料の加工硬化の影響です。
 計算で得られた絞り加工力は、プレス機械の下死点よりかなり上に現れます。プレス機械のトルク能力との関係から、使用プレスを選定します。
 絞り加工力とプレス機械の呼び能力との関係で、プレス機械を選定することはしません。



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