エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2006年07月28日

カテゴリ : 曲げ加工

第271回 プレス加工と金型のQ&A Q009:抜き加工のシャー角について知りたい。

Q

 抜き加工力の軽減策として、シヤー角があるがどのように使えばよいのかを知りたい。

A

 通常の抜き加工では、パンチ、ダイともに平らに作るので、抜き輪郭形状全体が同時に力を受けます。そのときの加工力(P)の計算式は次のようになります。

 P=Ks・L・t
   P:加工力
   Ks:せん断抵抗、おおよそ引張り強さの80%
   L:加工周長
   t:板厚

 プレス機械の能力に対して加工力が大きくると、何とか軽減したくなります。この時の軽減策に使われるものがシヤー角です。【図1】は外形抜き型に対するシヤー角のつけ方で、ダイ側にシヤー角を取ります。【図2】は穴抜き型のシヤー角のつけ方で、パンチ側にシヤー角を取ります。
 図から分かるように、ダイにシヤー角をつけるとダイ上の材料がシヤー角形状に変形し、パンチにつけると抜かれた材料が変形します。シヤーの量(図のS)でシヤー角を表すことが多いのですが、Sの量は板厚(t)の1/3t〜2t位が多く使われます。シャー角をつけたときの加工力は次のようになります。

 P=k・Ks・L・t
   k:シヤー角による係数

【表1】シャー角による係数
シヤー(S)の大きさkの値クリアランス
1/3t0.72
0.90
1.0t0.28
0.57
2.0t0.15
0.28

 シヤー角をつけると加工力は軽減できますが、材料の変形も残るためあまり大きなシヤーをつけません。一般的には板厚程度までが多いです。
 シヤー角をつけると加工力は低減しますが、加工完了までに長い行程がかるため、せん断エネルギーはシャー角なしの場合と変化無いと考えます。
 シャー角をつけると加工時に横荷重が発生します。横荷重のバランスを取るように、対象形にシャー角をつけます。

図1

図2



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

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