エンジニアのための技術講座

プレス金型講座

掲載日:2006年09月22日

カテゴリ : 絞り・成形加工

第278回 プレス加工と金型のQ&A Q16:絞り製品の置き割れ対策を知りたい。

Q

 絞り製品の置き割れ対策を知りたい。

A

 置き割れ(時期割れ、シーズンクラックとも呼ばれる)は、【写真1】のように加工後しばらくして発生するたて割れです。加工直後に現れるものは比較的被害が小さくてすみますが、組立が完了して、商品となった後に発生すると惨めです。SUS304材や黄銅材によく見られます。
 原因は厳しい加工によって材料が加工硬化して、脆性が増した状態に加工に伴う残留応力が作用して、破壊を起こします。材料に潜むマイクロクラックなどがきっかけを作ります。
写真1

 対策としては、材料にかかる加工硬化の影響を小さいものにすることです。

 具体的には、

1. 加工をゆるくする。絞り加工の絞り率をゆるく設定することです。加工限界に近い絞り率を各工程に採用しないことです。
2. しごき絞りとする。絞り加工では材料はダイに接する面でひずみが大きく、パンチが接する内側ではそれほどでもありません。しごき絞りとすることで、材料は全体的に動かされ、残留応力を軽減できると考えられます。
3. クラック発生要因を取り除く。絞りブランクの外周部は最も加工変形が大きく、加工硬化も大きなものになります。細かなクラックもできやすい部分です。このような要因によって、置き割れが発生する可能性を持っています。加工の途中でトリミングで除去するか、焼き鈍しを入れ加工硬化を解除してやる等の工夫も役に立ちます。

(注1)加工硬化:金属が加工によって硬く、もろくなること。
(注2)脆性:靱性と逆の性質で粘り強さが無くもろい状態を言う。



Mold EX-Press【モールド・エキスプレス】

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