エンジニアのための技術講座

表面処理技術講座

掲載日:2011年06月10日

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第497回 フォトエレクトロフォーミング-5

(9)電鋳

 フォトエレクトロフォーミングの基板は導電性で、電鋳後剥離するため、剥離皮膜処理をする必要があります。剥離皮膜処理は、いままで何度か述べてきた重クロム酸カリウム溶液などによる方法が使われます。

 基板がガラスの場合には表面を導電化する必要があります。導電性の付与には銀、銅、ニッケル皮膜などを、無電解めっき、陰極直流スパッタリング、真空蒸着法などにより形成させる方法が一般的です。フォトエレクロフォーミングでは、銅、ニッケルなどの電鋳が多く使用されます。電鋳の浴組成や電解条件などは、一般の電鋳製品と同じです。フォトレジストによる基板への電着の状態を【図1】に示します。

【図1】基材への電着の状態

 電着金属を基材から剥離するには、小刀の先で引きはがすか、粘着テープを密着して引っ張ってはがします。剥離の際には保護膜に傷をつけないようにして電着金属を引き剥がした基材は、フォトレジスト保護膜が残っているので、そのまま利用して電着を繰り返し、多数の電鋳製品を作ることができます。

 電着金属の成長の仕方は、【図2】のように、レジスト層の厚さの部分は、その中で析出していきますが、レジストの厚さ以上になると側面の方向に成長します。この側面に成長した分だけパターンの寸法誤差を生じます。両側面に成長した分の長さ(δ)は電着層の厚さ(t)とほぼ等しくなります。このため、原図の作成の際にこの分を見込んで寸法を補正しておく必要があります。

【図2】電着金属の成長状態

 高精度のフォトエレクトロフォーミングを得るためにはレジストの厚さを薄くします。レジストの膜厚は塗布の方法にもよりますが、1~5μm程度です。1回で塗布するレジストの膜厚には限度があるので、膜厚を大きくしたい場合には、性質の異なるレジストを二重に塗布して厚くするダブルコーティング法があります。

 レジストを塗布した基板に金属を所定の厚さまで析出させて剥離して製品とする方法の他に、基板上に厚さ数μmに金属を電着させた後、基板からいったん剥離し、別に用意した枠に剥離した電鋳膜を張り、再び電鋳浴に入れて、両面から金属を電着させて所定の厚さに電鋳することにより、レジストの厚さ以上に電着させることができます。

 電鋳の剥離後、レジストの除去は、レジストの種類によって異なりますが、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液、ケトン等の有機溶剤に浸漬処理し、ブラッシング等で基体より除去します。

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